北方芸能プロジェクト成果報告/2004年度新収皮影影巻目録 の変更点

Top/北方芸能プロジェクト成果報告/2004年度新収皮影影巻目録

*2004年度新収皮影影巻目録 陝西省礼泉県弦板腔皮影および 華県碗碗腔皮影 [#s0b3d0d1]

RIGHT:山下 一夫

#contents

*1.解説 [#gc5a5ead]

中国都市芸能研究会では、中国各地の皮影戯の演目資料を保存し、またこれを研究・分析するため、様々な皮影戯台本の収集・整理作業を行っている。これまでにも冀東、湖南、北京西派などの影巻を収集してきた。2004年度夏期に行った現地調査では、陝西省礼泉県を中心に行われている弦板腔皮影戯と、華県を中心に行われている陝西東路碗碗腔皮影戯の影巻(台本)を収集することができた。以下に掲げるのはその目録である。

タイトルはいずれも書皮所載のものによっている。中には明らかな誤字と思われるものもあるが、特に変更は加えていない。なおこれらの影巻は、整理研究の後、慶應義塾大学メディアセンターに寄贈・公開する予定である。

*2.礼泉弦板腔皮影影巻目録 [#r2b2ce57]

以下に掲げる礼泉弦板腔皮影の影巻は、インフォーマントとして協力して頂いた老芸人の劉璟氏の旧蔵になるものである。いずれも劉璟氏自身を始めとして、任天福、程淩月、程付坤、程徳恆、劉継鑫、王清一といった劇団の関係者と思われる人物によって抄写された写本であり、『青化&lang(zh-cn){塬};』が三冊となっている以外はすべて一冊本である。うち、『薛家三上墳』に1963年の記年があるのを除けば、他は任天福氏抄本がいずれも1978年と記されているなど、ほとんどが文化大革命終結後に抄写されたものとなっている。サイズについては22cm×23cmのものと、19.5cm×27.5cmのものに大別される。印象では前者が比較的抄写年が古く、また後者は劉璟氏の抄写分が中心だが、他にも数件の台本がこれに従っている。

礼泉県弦板腔については調査報告や映像資料などの資料が少ない上、現在では劉璟氏の劇団しか残っていないに等しい状況にある。その点で、氏のいわば劇団一つ分の所蔵影巻は、弦板腔皮影の上演演目について研究する基礎的資料となり、これを分析することによって、陝西の他地域の皮影戯や人戯などとの比較研究へと進むことができるものと思われる。

**(1)劉璟氏抄写本 [#b4a7d44c]
-張奎破免池
-火焼葫蘆峪
-高西伐魯
-三顧茅廬
-西涼与馬超
-夜明珠
-倒鴛鴦
-食盒換子
-&lang(zh-cn){鍘};懐英
-取四郡
-宛城与張秀
-北平借将
-瓦橋関
-白宮
-蝴蝶杯
-富貴図
-&lang(zh-cn){佘};堂関
-&lang(zh-cn){鍘};趙王
-雲河
-烏雲駝
-九龍

**(2)任天福氏抄写本 [#x9e660e5]
-女将
-四花
-用水
-冷川

**(3)程淩月氏抄写本 [#tb73831a]
-進風駒・蘇龍&lang(zh-cn){篡};位
-釵
-衫

#ref(b1.jpg,, )
#ref(b2.jpg,, )
#ref(b3.jpg,, )
#ref(b4.jpg,, )

**(4)程付坤氏抄写本 [#a3d063c4]
-迅雷駒
-木門道

**(5)張氏抄写本 [#b95a0d0a]
-西成
-&lang(zh-cn){汴};京赴晏

**(6)程徳恆氏抄写本 [#t5a4a36f]
-梓桑関

**(7)劉継鑫氏抄写本 [#f83031d7]
-苦肉計

**(8)王清一氏抄写本 [#gd1c279f]
-青化&lang(zh-cn){塬};(三冊)

**(9)羅氏抄写本 [#u82bb277]
-五牛分屍

**(10)抄写者不明本 [#j73643c0]
-君臣夢
-馬跳潭溪
-蜜蜂
-両狼山
-火焼連営
-鳳儀亭
-火牛計
-追風駒
-老爺出五関
-四花玩灯
-薛家三上墳
-松
-鞭打至禁門
-騰霄足
-菊蓮帕
-その他タイトル不明四種

*3.華県碗碗腔皮影影巻目録 [#z18ce68e]

以下に掲げる華県碗碗腔皮影の影巻は、華県呂家&lang(zh-cn){塬};村の劉建平氏を通じて購入したものである。いずれも一冊本で、当該地の皮影芸人が使用あるいは所蔵していたものだという。サイズについては22cm×23cmのもの、19cm×27.5cmのもの、18.2cm×25.7cmの三種類があり、前二者は礼泉県弦板腔皮影の影巻でも行われていたもので、また後者は要するにB5サイズのノートに書かれたものである。抄写者として魏穏処、劉華民、鄭金瑞、毛禄有、劉趕年、陳書京、曹友民といった名前が見え、華県皮影団などの印章が認められるものもある。抄写年は多くが1978年から1984年に集中しており、文化大革命終結後の皮影戯復興の際に作成されたことが伺われるが、中には『霓皮傳』のように1995年と比較的近年になってからのものも見受けられる。華県の碗碗腔については調査報告や映像資料なども幾つか出版されており、陝西省の皮影戯の中では比較的検討材料が豊富である。今後それらと影巻テキストとの比較検討を進めることで、上演演目の詳細な検討が可能になると思われる。

**(1)魏穏処氏抄本 [#b45db611]
-雙鳳釵哭樓
-蛟龍駒
-玉鳳釵
-白玉樓掛畫
-兵火拉傘
-遊河南
-霓逼緣
-玩瓊花
-白玉鈿
-香蓮珮
-五鳳山
-香山還願
-會風扇
-紅燈記

**(2)劉華民氏抄本 [#tce5fb66]
-漢家莊
-金碗釵
-繡龍&lang(zh-cn){跑};
-秦英征西
-桑林寄子
-白鹿&lang(zh-cn){塬};
-楊龍開弓
-四聖歸天
-寶蓮燈
-金沙灘
-王禪臥冰
-鴛鴦被
-竹林會
-燕王吊孝
-斬單童
-孝廉卷

**(3)鄭金瑞氏抄本 [#aeab9166]
-梅花簪
-龍鳳環
-虎逼緣
-周仁回府

**(4)毛禄有氏抄本 [#i4773b45]
-柳河川
-鴛鴦樓

**(5)劉趕年氏抄本 [#l8747527]
-博浪沙
-全家福

**(6)陳書京氏抄本 [#u8e9ea2b]
-無瑕碧
-燕王吊孝

**(7)相百鎖氏抄本 [#nb9da875]
-槐蔭媒

**(8)曹友民氏抄本 [#t5f8b8c2]
-全家福

**(9)抄写者不明本 [#g2e1a0d5]
-劉高代箭
-二度梅
-霓皮傳
-金水河
-李元觀表
-百花瓶
-その他タイトル不明三種