2004年度新収影人目録†
千田 大介・山下 一夫
皮影戯は上演芸術であるのと同時に、使用される影絵人形「影人」は工芸美術品としての価値を持ち、コレクター市場も形成されている。従って、皮影戯の文化史価値を考究する上で、影人の調査・研究は欠くことができず、また、それらを博物資料として収集することも必要となる。
本研究では、2004年度、新たに遼南大影の影人を収集した。遼南大影は遼寧省南部で行われる皮影戯で、影人のサイズが40~50センチとやや大型であることを特色とする。遼南皮影戯については、20~30センチサイズのいわゆる遼南小影は比較的よく見られるが、大影の入手は現在では非常に困難になっており、貴重な資料であると言える。
収集した影人には、頭楂(かしら)・道具・背景などの他に、劇の一場面を再現した背景と影人・道具のセットがあり、実際の皮影戯スクリーンを彷彿させるものとなっている。なお、これらは元北京皮影劇団の劉季霖氏の所蔵品を譲り受けたものである。
遼南大影†
- 頭楂 47件
- 影人 11件
- 帥卓 1件
- 帳卓 1件
- 老虎椅 2件
- 花几 2件
- 方卓 1件
- 馬 2件
背景+影人†
- 秦香蓮(影人6人、背景:社堂)
- 樊梨花(影人3人、背景:帥府庁・虎椅)
- 捉拿九花娘(影人4人、帳子)